第28話

「わあっ!!楓羽くんだ!!久しぶりだね?!小山内秘書にそっくり、、背…高いね?2メートルくらいあるのかな?」




吏菜の家にはもう一人、ぶっ飛んだ天然すぎるお母さんの芹菜さんがいる。可愛らしくて素敵な人だけど脳内がお花畑なので会話するのに少し困る。




『ははは…2メートルはさすがにないですよ』



と愛想笑いしてみせれば、ニコニコ笑顔を向けながら去っていくという自由人。ちなみに吏菜には兄貴が一人居るんだけど…彼は俺以上に無口でやる気のない男代表みたいな人であまり会ったことがない。





「ふーくん、吏菜の部屋行こう?あのね?ふーくんに見せたいものがあるんだぁ」




俺の手を握って、ニッコリ笑顔で歩き出した吏菜。ご両親に頭をさげつつ…痛む足を引きずりながら吏菜の部屋へと足を踏み入れれば─…





ガチャン、と後ろ手に鍵をかけた吏菜。その瞬間…可愛らしい笑顔がスっと消え、真顔に変わる。




ドクン、っと心臓が飛び上がった瞬間…俺に近付いてきた吏菜がベッドへと俺を追い込み、そのまま倒れ込むようにして俺の上に覆いかぶさった。

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