第17話
あの時のことを、俺は死ぬまで忘れることはないと思う。近くにいた大人がすぐに救急車を呼んでくれて大事には至らなかったが─…吏菜は頭を何針か縫ったらしい。
今でも吏菜の髪を撫でていると、たまにその傷を見つけることがある。見えるところにある訳では無いが確かに残る傷跡。…俺が守ってあげられなかった証。
病室で目を覚ました吏菜が一番最初に言った言葉が─…
「楓羽にキスしていい女の子は、吏菜だけ」
それを聞いた瞬間から、俺は吏菜以外の女の子の名前を覚えるのは辞めた。名前を知らなければ関わることもないと思ったからだ。そうすれば俺にはずっと、吏菜だけだから─…
って、そう決めたはずなのに。
平和ボケしすぎていたのか、今日は必要以上に吏菜以外の女子と絡みすぎた。という自覚は…ある。
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