第15話

「………やっぱ死刑確定案件だったか」



貴弘はこうなることを分かっていたかのように、教室に戻った俺を見て笑った。…最低かよ




「あのメルヘンサイコの情報ネットワーク、ハンパねぇから。クラスの連中にチクられたんだろうね…おそらく写メ付きで。」




……そんな暇なやつ居るの?




「メルヘンに楓羽の情報をリークすれば、ご褒美もらえるって噂。まぁ…何がもらえるのかは俺も知らないけど」




『……何それ、吏菜がそんなことするわけないだろ』




それに、大事なのはバレた理由ではなく…自分から話す前に吏菜が知ってしまったという事実だ。どうすれば俺は吏菜に許してもらえるのだろうか。





「…そんなに悩むことか?楓羽が謝れば秒で許してくれんだろ、あのメルヘンなら」




……分かってないよ、貴弘。




吏菜を怒らせるということがどういう事なのか、全然分かってない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る