第7話
『………吏菜のこと、悪く言うなら…もう貴弘とは喋らない。今までありがとう…ばいばい』
体操着を持って教室を出た俺の後を急ぎ足で追ってきた貴弘は、当たり前のように俺の隣を歩く。
「ごめんごめん…冗談だよ。楓羽は吏菜ちゃんのこと、大好きなんだもんな」
俺に無視されるのが嫌なのか、案外直ぐに謝ってきた貴弘に…白目を剥いてべーっと舌を出して見せれば、しゅん…と落ち込んだ様子だった
貴弘が大爆笑して笑う。
「そんな変顔してくるくせに美男子のままなのが、くっそ腹立つ!!!」
なんて言いながら俺の肩に腕を乗せて二人三脚のような距離感で歩く貴弘。……近いな?
「憎めねぇんだよなぁ…楓羽は。無気力で鈍感でバカでアホで常にボーッとしてっから。みんな放っておけねぇんだよ」
『……俺、貴弘より成績いいんだけど』
「頭の良い悪いの話しじゃねぇの。ほらそーいうとこだよ、俺に鈍感だって言われる所は。」
──…どーいうところ?意味不なんだが?
「まぁせいぜい気をつけろ?俺からお前に助言してやれることはただ一つ!!お前の彼女は脳内お花畑のソクバッキー…つまり普通じゃないサイコ野郎だって─…それだけ。」
それだけ、って言う割には結構色々語ったね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます