第6話

「うわ…それマジ?!楓羽、お前だいじょーぶ?!あのメルヘンサイコにフルボッコにお仕置きされるんじゃ、、」




一部始終を前の席で傍観していた貴弘が頭を抱えるようにして嘆いているのを横目に、わざわざプリントを届けてくれた彼女にしっかりとお礼を告げる。




『…ありがとう。委員の集まりがあるなんて知らなかった…任せっきりでごめん』




同じクラスの、同じ委員の女子生徒。だが俺は彼女の名前を知らない。…知る必要がないから




「あ、ううん!全然!!一年間、長いけど一緒に頑張ろうねっ!」




なんて、強く意気込んだ彼女に『よろしく』と笑顔で返せば…顔を真っ赤にして走り去ってしまった。……え…大丈夫かな?熱中症?





「あーあーあー、お前さぁ…吏菜ちゃん以外の女の子に笑いかけるとかやめろよ!そんなとこあのメルヘンに見られたら…詰むぞ。終わる、多分しばらく楓羽とは会えない気がする」




『…あのさ、さっきからなんの話し?メルヘンって何?おとぎ話?スタジオジブリの新作映画のタイトルか何かなの?』




「っなわけねぇよな?!天下のジブリ様がそんなヤバいタイトルセンスしてるわけないよね?お前の彼女の特性だよ!闇属性のメルヘン型、サイコパス仕様のヤバい彼女!!!」




……よく分からないが、俺の彼女のことをディスられているということで…おっけー?

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