第54話
そして迎えた週末──…
「パパ、あや姉…ゆっくりしてきてね!!」
律希さんと共にご実家へとミナちゃんを送り届ける。お義父さんとお義母さんはミナちゃんを溺愛しているらしく、週末になる度に好きなものを買ってもらえるみたいで…ご機嫌で御屋敷の中へ走って行ってしまったミナちゃん。
なんだか、ちょっぴり寂しい。
「なんで絢音が寂しそうな顔するんだ?俺と二人きりになるのがそんなに嫌?」
─…意地悪なこというな、この人
『そんなんじゃないです!律希さんの意地悪』
「冗談だよ、ほら…機嫌直して?」
膝の上に置いていた手に律希さんの手が重なり…そのまま指を絡められ、ギュッと握られてしまうと、、モヤモヤしていた気持ちなんてすぐに吹っ飛んでしまう訳で。
「─…嫌なら、離して」
って…あくまでも私に選択権を与えてくれる彼。でもそれは優しいように見えてとても残酷だ…私から突き放すなんて、出来るわけないのに─…
『………嫌…じゃ、ない』
小さく呟いた私の声はしっかりと律希さんに届いたみたいで。手を握る力が少し強まったのを感じて…更に胸がドキドキと音を立てる。
二人きりの週末はまだ始まったばかり─…こんなんでこの後、大丈夫かな?!!
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