第52話

二人でリビングに向かい、律希さんがキッチンに入っていくので私もそれに続いた。ワインとシャンパンのボトルを取り出し、、




「…どっちがいい?」




なんて、私に選ばせてくれるから…『今日はシャンパンの気分です』と答えてボトルを受け取った。律希さんはシャンパングラスを食器棚から二本取り出しソファへと歩いていくので、私はおツマミになりそうなクラッカーや生ハム…カマンベールチーズを適当に冷蔵庫から取り出してお皿に並べて持っていった。





「気が利くね、普段から買い足して一人で飲んだりしてるのか?」




生ハムやチーズが出てきたことに驚いている様子の律希さん。本当におっしゃる通りで…夜な夜な一人で晩酌するのは一人暮らしの時からの習慣で。今も冷蔵庫の隅の方に私のお酒やおツマミをお邪魔させてもらっている。





『一日の終わりに美味しいお酒飲みながら、おツマミを食べて動画サイトでお笑いを見たり韓国ドラマを見たり…そういうのが好きで今でもたまに、深夜にテレビをお借りしてます。』





シャンパングラスで乾杯をしながら、二人で飲むお酒は─…一人で飲むときよりも美味しく感じた。





「誘ってくれればいつでも付き合うよ」




なんて…全く人たらしな人だなぁ、と思いつつ次から声を掛けてみようと思うのは…多分一緒にいて居心地がいいからだろうな。

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