第50話

「─…美味しいっ、」



ミナちゃんと一緒に作ったコロッケを絶賛して食べてくれる律希さん。とはいえカニクリームコロッケなんて作ったのは人生で初めて。何度も言うようだが私は本来ファミリー向きではないズボラ型女子だ。こんな手の込んだ料理は今まで作ったことなんてなかった





『初めてでも何とかなるものですね。ミナちゃんがお手伝いしてくれたおかげかも』




律希さんの隣でモグモグとコロッケを頬張っているミナちゃんが、嬉しそうに笑う。あー…癒されるなぁ、、。





「初めて作ってこんな完成度の高いものを作れるなんて…絢音は本当に器用だな」




『もうっ!そんなに褒めてももう何もないですよ?!恥ずかしいからやめてください』




「あー!あや姉が照れてる〜!!!」





ほんと、親子で私のことをからかってくるのはやめていただきたい。






「あや姉何時にお仕事終わるの?ミナが寝る前にお布団来てくれる?」




──…可愛いな。




『うん…もう明日するからいいやっ!私がお風呂から出たら一緒に寝よう』



「えーっ!!じゃあ一緒にお風呂入れたのに!ミナもう一回お風呂はいるっ!ご飯のあとでもう一回あや姉とお風呂入る〜!!!」



「えー…じゃあ俺ももう一回一緒に入る」





なんだこの親子。誰も止めてくれる人がいないので無法地帯なんですけど!!

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