第49話

「うん…絢音が俺に色々隠してることは分かったから、とりあえずシャワー浴びてくるよ。あとでゆっくり聞かせてもらうから」




冗談っぽく軽く私を睨みつけてリビングを出ていこうとした律希さん。一度振り返って、「実夏もお風呂行く?」っとミナちゃんに尋ねる





──…しかし、




「ううん、今日はあや姉と入るからいい」





なんて、まさかの発言にうっかり手に持っていたコロッケを握り潰してしまいそうになった。っが─…驚くのはまだ早かった。





「えー…じゃあパパも、絢音と一緒に入ろうかな?」




きっと、”鈍感”なんて言ってしまったことの仕返しなのだろうけど…冗談に聞こえないからやめて欲しいっ!!





「そーしようっ!三人でお風呂入って、今日から三人で寝ようっ!あや姉…一人で寝んね、寂しいでしょ?ミナがあや姉のお布団敷く!ねぇ一緒に寝ようよ…ダメ?」





これはっ…とんでもない展開になってしまった。どうやらミナちゃんは手提げ袋とキャラ弁の件で私に今日一日でとても懐いてくれた…らしい。これが本音ならとても嬉しいけど、少し無理をしているようにも感じる。





『……お風呂はまた今度ね?あや姉、お仕事溜まってて…ごめんね?』




「じゃあ…一緒に寝るのは?」




『それはっ、、』





仕事で遅くなるから…先に寝てて、っと答えようとした私の言葉を渡って─…





「絢音の布団、俺が用意しておくから…仕事が終わったら寝室で…一緒に寝よう。」




──…この裏切り者がっ!!




律希さんのその発言により、ミナちゃんが喜んでピョンピョンと舞い上がって飛び跳ねる。一体何を考えているのか…一緒に寝るなんて、ありえないでしょ、、っという思いを込めて律希さんを見つめるけど、、





彼は何の反省もしていないみたいで、むしろ楽しそうにミナちゃんと共に笑っているので…その能天気さに呆れつつ、とりあえず仕事を早く終わらせようと心に決めた

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