第48話
「あや姉…これでいい?」
『んー?わーっ!ダメダメ!!先に卵つけないと!うわぁあぁ…まぁこれはこれでありか?律希さんに食べてもらえばいーか』
「うんっ、パパにあげよーっと!」
『そーしようっ!!』
あの後、”夕飯のお手伝いをする”と言い出したミナちゃんが可愛すぎて…仕事をほったらかしてそのままミナちゃんと一緒にコロッケ作りを開始した
っというのも、律希さんの好きな食べ物がカニクリームコロッケだとミナちゃんが教えてくれたので─…二人でそれを作ろうという流れに。
キッチンでわーわー騒ぎながらコロッケを揚げていると、「…ただいま」っと律希さんが帰宅してリビングに顔を出した。
「……なに、二人で楽しそうだな。俺だけ仲間はずれみたいで寂しいよ」
キッチンでミナちゃんと料理をしているなんて思いもしなかったであろう律希さん。口ではそんなことを言っているが、その表情はとても穏やかなものだった。
「パパおかえりっ!!あのね、パパの好きなカニのクリームのコロッケ!あや姉と作ってたんだけど、さっき失敗しちゃってね…それをパパにあげようってことになって、」
『わーーっ!ちょっと、ミナちゃん!それ言っちゃうの?!ひどくない?!言わなきゃバレないよ、律希さん鈍感だからっ!』
「鈍感…?パパって鈍感?鈍感ってなぁに?」
──…詰んだ、色々と。
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