第47話
「─…ただいま」
夕方、ミナちゃんが帰宅したのでスーパーで買っておいたお菓子を用意してテーブルの上に出しておく。
『おかえりっ!ミナちゃん、お菓子とジュース置いてるから手洗ってから食べてね!私はもう少し仕事が残ってるから部屋に戻るけど、何かあったら声掛けて!』
ランドセルからプリントを取り出しているミナちゃんにそう告げると…なんだかモゾモゾと話したそうにしているので、部屋に戻ろうとしていた足を止め…ミナちゃんを見つめる。
「………来週、遠足…ある」
”旅のしおり”と書かれたプリントを私に手渡したミナちゃん。学校からバスに乗って近くの動物園に行くという内容が記載されている。
『動物園かぁ…いいね!楽しんでおいでね』
しおりの内容を確認しつつ、ミナちゃんに笑顔を向けると…少し悩んだような素振りを見せてから、ミナちゃんが再び口を開いた
「………お弁当…作ってくれる?」
──…お弁当?
再度しおりを確認すると、”お弁当持参”という文字が記載されていて…それを私に頼むことを躊躇っていたのかと思うと、ミナちゃんの奥ゆかしさに何とも言えない気持ちになる。
『私、こう見えてキャラ弁の達人だから!何でも好きなキャラリクエストしてよ!クラスで一番クオリティ高いお弁当用意するから楽しみにしててね』
キャラ弁、っというワードに明らかに表情が明るくなったミナちゃん。もしかしたら一年生の時の遠足では律希さんがお弁当を作って…キャラ弁とはかけ離れたお弁当を持参したのかもしれない─…ってまぁ私の憶測でしかないけど。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます