第43話

『……今週は、特に何もっ、』



「じゃあ土日、両方…俺が絢音を連れ回してもいいか?」




──…連れ回す、とは?




「実夏が風邪を引いた時の礼と、今日の手さげ袋の礼…させてくれないか?」




『お礼なんて別にっ…家族でしょ?協力するって言ったのは私だし、いちいち気を使われたらそっちの方が生活しづらい』




「─…なら、言い方を変える。俺が絢音と出掛けたいから時間を作って欲しい」





俺が絢音と出掛けたいから─…って何?どういう意味?!意味分かって言ってる?…いや、特に意味なんてないのか…?





「もちろん、無理にとは…言わない」




掴んでいた腕が離され少し寂しそうな顔をされると…行かない、なんて選択肢は無くなる。





『……二日間かけてどこに連れ回されるのか、楽しみにしてますね』




そう言って笑いかければ、同じように微笑み返してくれる律希さんに…ドクンって、一瞬胸が飛び跳ねたけど、、これは夜遅いことによる不整脈で勘違いだと自分自身に言い聞かせて…




頭を下げてから逃げるようにリビングを離れた

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