第41話

『っていうか…これ何ですか?!』



「……何って、手さげ袋、、」



『いや、そうじゃなくて!この変な虫みたいなキャラクター…何?!全然可愛くないし、むしろちょっとホラーなんですけど…っえ、ミナちゃんのこと可愛くないんですか?!こんな手さげ袋持っていったら笑われますよ』



「虫…?いや、どう見ても花だろ?!全く…ひどいこと言うな」





なんというゴミセンスっ!これでご実家が古くから着物を扱っている老舗ブランドだというから驚きですよ。





『経営や営業のセンスはあっても、美学のセンスはゼロですね。貸してください…私がやります』





律希さんの手の中から手さげ袋を奪い取り、とりあえず余計な部分をハサミで切って一から作り直す





「……器用なもんだな、ここまで作るのに俺は4時間かかった」



『律希さんが不器用すぎるんですよ。っていうか、言って貰えたら最初から私が作ったのに』



「まぁ…実夏の為に出来ることは俺がやりたいって思うから」



『……いい心がけだと思いますけど、さっきの虫がついた手さげ袋はさすがのミナちゃんも喜びませんよ』



「……だから、あれは花だって。」





二人であーだこーだいいながら、最終…私の私物のミシンを使えばあっという間に完成したミナちゃんの手さげ袋。

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