第40話
その頃から─…朝食と夕食は三人で取ることが増えた。律希さんは仕事を持ち帰るようになり、残業を減らすようにしているみたいだった
それでもどうしても遅くなる時は…私とミナちゃんの二人で夕飯を食べる。少しずつではあるが私に心を開いてくれているのか、、
「……ご馳走さまでした………美味しかったです」
なんて少し会話をしてくれるようになった。それが嬉しくてミナちゃんに喜んで貰えるようなレシピを考えたり、日中の暇な時間にお菓子を作ったりして私なりに距離を縮めようと頑張っていた。
そんな平凡な日々が続くと思いきや─…
『………律希さん?何してるんですか?』
深夜1時頃、パソコンでの作業が一段落ついて水を飲もうとリビングに足を運ぶと…ソファで律希さんが頭を抱えている姿が視界に入った
「あぁ…絢音、仕事か?遅くまでお疲れ様」
私の質問を無視して質問で返してくることにはもう慣れたので、今更突っ込んだりはしない
『ありがとうございます、律希さんはまだ休まれないんですか?』
何をしているのか、っと近寄ってみれば、、乱雑に置かれた布やフェルト。そして律希さんの手の中にあるものをみて…色々と察した。
『………それ、ミナちゃんの?』
「…あぁ、手さげ袋。手作りで用意しろってプリントに書かれてあったのを忘れてて…」
『……まさか、明日までなの?』
「困ったよな、ほんと」
ほんとになっ!!今まで放置してた貴方に呆れて困り果てますよこちらはっ!!
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