第39話
「逸希から”外で夕飯を食べてるから仕事終わりに合流しよう”って連絡が来て…もちろん絢音も一緒に居るものだと思ってたから…店に着いて驚いたよ。」
律希さんは…知らない。弟の逸希さんが私たちの関係を疑っていることを…知らないんだ。鈍感だから。多分、ハッキリ言われないと一生知らないまま生きていくだろう。
「慌てて実夏を連れて帰ってきた。」
『……え?!ミナちゃん嫌がったんじゃないですか?!逸希さんに会えて嬉しそうにしてたのに、』
「デザートまで食べて満足そうにしてたよ、帰りの車で爆睡してたし」
『でもっ、家族揃って外食なんて久しぶりなのに…律希さんも一緒食べてきたら、』
「─…揃ってないだろ、絢音が一人…家に居るのに。俺まで外で食べて帰ったら、絢音の居場所がなくなる」
──…何を、言い出すの?
「絢音も、俺の家族だろ?外食するなら、絢音も一緒じゃないと…拗ねてフライパンのまま夕飯を食べられると困るから」
『……はい?!あれは拗ねたからとかそーいう理由じゃなくて、元々の私の性格上っ、』
「次、同じようなことがあったら…一人で食べる前に俺に確認してくれ。それから…待てるなら待ってて欲しい。」
『別にいいですけど、どうして急に、』
「─…絢音を、一人にしたくないから」
ほんと、やめてほしい。中途半端な優しさなんて要らない。今まで通りでいいんだよ、別に見返りなんて求めてない。
──…私たちに情なんてものは必要ない
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