第30話
保険証や医療証…母子手帳などを持参していたので初診でもスムーズに診てもらうことができ、薬を処方されて無事に帰れることになった
診察の途中で眠ってしまったミナちゃんを抱っこしながら車に戻ると…先程自転車で道案内をしてくれた女性が立っているのが見えた
『…あ、あの!!ありがとうございました』
私一人ではきっとパニックで救急車を呼んでしまっていただろう。だって分からないことだらけで本当に─…怖かったから。
「心配したよ…大丈夫?このまま帰れるなら大事には至らなかったのかな?良かった…お母さんが泣きそうな顔してたら子どもも不安になっちゃうからね」
──…お母さん?
私とミナちゃんは他人から見れば親子に見られているのだろうか?実際は契約旦那の連れ子で血の繋がりもない赤の他人なのに、、他の人の目には私がこの子の母親として映っているのだろうか?
「何も無くて良かった、お母さんも無理しないで頑張ってね!帰りも気をつけて帰ってね」
きっと、私のような経験をしたことがあるから…放っておけなくて声を掛けてくれたのだろうとなんとなく察した。それにしても”お母さん”なんて呼ばれるのには違和感しかないな…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます