第22話

今日の夜ご飯はミナちゃんのリクエストでお寿司の出前をとることになり、3人でそれを囲んで頂いた。





「……絢音はワサビが苦手なのか?」




辛いもの全般がダメは私は、お寿司のシャリの上に乗っかっているワサビを無意識に剥がしてしまっていて…それを律希さんに指摘されて恥ずかしくなり手を止めた





お皿の端の方に集められたワサビがついたお米の集合体を律希さんが回収してくれる





「サビ抜きを二つ頼めば良かったな」





なんて言いながら私の剥ぎ取ったワサビ飯を自身のお寿司の上に乗せて食べてくれる律希さんはやっぱりいい人だと思う。





「パパ…ワサビいっぱい、、辛くないの?死なない?」




不満げに律希さんを見つめるミナちゃんは、お茶の入ったコップを差し出す。





「ん…パパはお前たちの残飯処理班だから、このくらいで死なないよ。」





──…お前たちっ!!?




さりげなく妻と娘をひっくるめて”お前たち”呼ばわりされたことにドキッとしたが、ミナちゃんは安心したように笑った





「………よかった」




ふいに、大人びた表情を見せる彼女に…胸を締め付けられるこの感情は一体何なのだろうか。普通の親子の会話、そう思って見ていた私はこの後、ミナちゃんが寝静まった後に─…






今日イチ、驚く事実を告げられることになる。

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