第19話

「ん…ミナ、いい子だね」





飲み物を用意していたのか、私にお茶を差し出してくれる律希さん。




ミナちゃんの隣の席に座り、優しく彼女の髪を撫でてあげている律希さんは…いいパパだと思う。私は…本当にこの家に居ていい人間なのだろうか?





「─…絢音、早く食べないと冷める」




生クリームのホイップとメイプルシロップ、コンデンスミルクを私の前に並べる律希さん





「どれで食べる?」




楽しそうに問いかけてくる彼は、空気が読めない男日本代表に入れるだろうな…なんて思いながらコンデンスミルクを手に取り、ホットケーキに少量乗せた。





「絢音は練乳派?甘党だな」




って言ってる自分も生クリームかけてんじゃん。と思いながらミナちゃんに視線を向けるとジッと私のホットケーキを眺めている





『………食べる?』




お皿を持って彼女に返そうと突き出してみると




「……要らない」




再び私の方から目を逸らし、メープルシロップがたくさんかけられたホットケーキを食べ始めたミナちゃん。






──…子ども心、分からない





後でネットで子どもの心を掴む方法を検索しよう。

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