第18話

用意された私の部屋に荷物を置いてもらい、「一緒にお昼を食べよう」という律希さんに連れられダイニングに向かうと─…




「パパ〜見て、じょーずに焼けたよ!」




プレートで器用にホットケーキを焼いているミナちゃんの姿があって…思わず頬が緩んでしまった。─…可愛い。





「あぁ…じゃあそれ、お皿に乗せて絢音にどうぞ、出来る?」



「……………ダメ、パパの」




チラッと私を見てふいっと顔を背ける彼女は、きっと私に律希さんをとられないか心配で仕方ないのだろう。




突然現れて”妻です”なんて紹介されても…受け入れられないよね、当たり前だよ。





「……ミナ、怒るぞ。絢音にどーぞ…して?」




キッチンから飛んできた律希さんの低い声に、ミナちゃんは唇をギュッと噛み締めながらお皿にホットケーキを乗せて、、向かいの席にそれを静かに置いた






「…………どーぞ」





小さな声でそう呟いた彼女を見て─…胸が苦しくなった。間違ったことをしている、全身で感じる罪悪感、、




私と律希さんの間だけで行われる偽りの婚姻だと思ったから…この結婚に踏み切った。子どもがいるって分かってたら…絶対に結婚なんてしなかった。





──…だって傷つくのは私たちじゃない




身勝手な理由で大人に巻き込まれることになる、子どもが一番傷つくことになるから、、





知ってたら…結婚なんて、しなかった。初日からこんなに後悔してるのにこの先…上手くやっていけるのかな?

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