第9話

『っあ…条件っていうか、一つだけお願いがあるんですけど─…急に結婚するってなったら多分親が怪しんで家を訪ねて来たりすることもあると思うので…出来れば一緒に住んでもらえると助かるのですが、、勿論部屋は別で!ちゃんと離婚したらすぐに出ていくので!!』




「あー…それは別に構わないが、それなら一つだけ俺からも頼みたいことがある」




『……なんですか?』




「外では好きにしてもらって構わないが、家の中でタバコを吸うのはやめて欲しい。」





あぁ…家の中では禁煙してるのか。壁が汚れたりするしなぁ…服に臭いとかもつくしね。





『全然大丈夫です!元々そんなに本数を吸うわけでもないので!辞めようと思えばすぐにでも辞められるので─…』





そんな軽い口約束みたいなものを交わしてから連絡先を交換した私たち。【進藤 律希】と電話帳に登録されて初めて彼の名を知った





「──…絢音、三年間…よろしく」



『よろしくお願いします、律希さん』










──…これが、私と律希さんのハジマリ。





まさか結婚して直ぐに、小学生女子の母親になるなんて夢にも思わなかった。

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