第44話

仕事帰りにスマホを開いて、非表示にしていたトークを開くと、、








凪砂【分かったからそんなに謝るな。仕事、頑張れよ】






っと、凪砂から返信が来ていたことに驚き、うっかりスマホを落としそうになった。







ーーー・・・仕事頑張れ、、






私の嘘を信じている凪砂に申し訳なく思いながらも、これで良かったんだと言い聞かせる。






文章を打つ気分にはなれなくて、柴犬が【ありがとう】っとプラカードを持っているスタンプを送ってトークを閉じた。







付き合ってる頃は、頑張れっなんてメッセージを送ってきてくれたことはなかった。別れて距離が出来たから、逆に送りやすくなったのかな?








──…いや、ちょっと待って!!







私、凪砂に連絡しないでって言ったよね?!グループトークだから仕方ないにしても、個別メッセージみたいに送ってくるのはナシだよねっ?!










っとはいえ、凪砂からの貴重なメッセージを逃したくない私は、しっかりスクショして保存する。






普段から口下手な凪砂からの、【頑張れ】の一言は私にとっては明日への活力。







これだけで未経験の出産でさえも頑張れるような気がしてきた。







いつかもし、また凪砂と笑い合えるような日が来るとしたら、その時は今日のメッセージの話をしよう。







凪砂の頑張れの一言で、私は強くなれたんだよって・・・ありがとうってスタンプじゃなく、直接会って話せる日が来るまで、、







───やっぱり誰にも言えないよね

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