第25話
それは、私と凪砂が別れる事になった誕生日の二週間ほど前の真夜中のことだった。
***
ピーンポーン
真夜中の1時頃、部屋のインターホンの音で目が覚めておそるおそる玄関へ近づく。
オートロックのマンションのため、直接部屋のインターホンを押せるのは合鍵を持っている身内か、凪砂しかいないので特に警戒することもなく覗き穴を覗き込んだ。
『……なず、なっ?!』
こんな夜中に、ましてや連絡もなしに突然訪問して来たのは初めてで、少し驚いたけど、急に休みになって会いに来てくれたのかと思うと、胸がドクンと高鳴った。
『凪砂、どうしたのっ?!寒かったでしょ?早く入ってっ!』
なんの躊躇いもなくドアを開けて、凪砂を部屋へ通した私は、ガチャっと鍵を閉めてからリビングへ向かおうと足を進める
ーー・・・はずだった、、
『っえ、なずっ・・・んんっ?!』
足を進めようとした私の腕をグッと掴んだかと思うと、強い力で引っ張られ・・・そのまま強引にキスされた。
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