第18話

『っえ・・・何で凪砂が泣きそうになってるの?!振られたのは私なんだけどっ!!』






少しでも雰囲気を変えたくて、明るくそういった私に、






「あぁ・・・そうだな。今更友達で居てくれなんて、虫が良すぎるよな」







凪砂は諦めたようにそう言うと、寂しそうに少しだけ笑った。






「じゃあな、萩花・・・気をつけて帰れよ」







凪砂は、私の頭にポンっと手を乗せると、そのままスゥーっと私のロングヘアを指でなぞるように触れた。






スルリと、凪砂の指が髪から離れた瞬間、凪砂は私に背を向けていつものように歩いていってしまった。






凪砂の背中を私は今まで何度も見てきた。でも過去一度だって振り返ってくれたことは無かった。







ーーー・・・このままでいいの?







私は凪砂に伝えたい思いを何一つ言えないまま、このまま二度と凪砂に会えなくなってしまってもいいの?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る