第38話

「お前が嫌いだから…その情けねぇツラ、もう少し見てやろうと思って」




表情一つ変えないで、そんなことを言う吉野




さすがにイラッとして、吉野を思い切り睨みつける






『そんなに嫌いなら、もうあたしに構わないでよっ!どうせあんただって、あたしのことっ...斗真がいるのに神崎に迫った最低な女だって思ってんでしょ?』





泣きながら、喚き散らすあたしを、ジィっと顔色を変えずに冷めた目で見据える吉野に、ますますイライラが募る




『っもう!放っておいてくれないかなぁっ...別にっ誰になにを言いふらしてくれたって、構わないからっ』




手を伸ばせば届きそうな所にいる吉野





睨みつけるのは辞めて...瞳いっぱいに溢れる涙をボロボロ零しながら吉野を見つめた

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