第39話

そんなあたしを見た吉野は、一瞬眉をひそめてパッと視線を逸らしたかと思うと...





「...バカな女だとは思うが、最低な女だとは思ってねぇ」




そう言って、グッと手を伸ばしてきて、、、





反射的に目を瞑ったあたしの頭を……






意外にも、優しく撫で始める






「お前が陽斗に迫ったって?っは、笑わせんなって...」




吉野は逸らしていた視線を、再びあたしに戻して、まっすぐあたしを見つめる





「昨日たまり場に来ただけで震えてたお前が、陽斗相手に迫ったなんて聞かされたところで...俺が信じるとでも思ったか...バカ女」





言葉遣いはとてもいいとは思えないけどっ





『っバ、バカ女じゃ、、なぃしっ』





その口調とは裏腹に、優しく頭を撫でてくれたりするから、、





『...っグスン』




どんどん涙が溢れてきて、、、





「..おい、その噛み癖何とかしろ...もっと不細工なツラになっても知らねぇぞ」




噛みちぎって切れてしまった唇に...






ーーー...そっと吉野の手が触れた時

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る