第35話

「ーー…いいザマじゃねぇか、バカ女」




突然上の方から聞こえてきた声に驚いて、勢いよく顔をあげる





「...お前さ、マジで学習能力ねぇのな」





誰も居なくなったと思っていた上の階から、下を覗き込むようにしてこっちを見据える吉野と目が合った





「さっさとあの"イケてる彼氏"でも呼んで、言い訳するなり、慰めてもらうなりすれば?」




ニコリとも笑わない吉野は、それだけ言うと仲間の元に向かったのか、姿が見えなくなった






『……っだから、、彼氏じゃないしっ』






別に、斗真とは付き合ってないんだから、浮気したなんて噂を立てられたところで、あたしと斗真の偽りの関係が終わることは無い





なのに、何で?






何がこんなに悲しくて泣いてるんだろう






分からない...

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