第23話
翌日、湊人は珠月の病室を訪れていた。
「どう、調子は?」
湊人が珠月に訊く。
「うん、体は大丈夫。記憶はやっぱ戻らないけどね」
珠月はそう言って小さく笑った。
「記憶喪失のことはいまは気にしなくていいと思うよ。まずは北村さんが健康なのが一番だから」
「ありがと」珠月は
「えっ、そうなんだ。それはよかった。じゃあ、これからは
「うん、そう。それで
湊人はそれを聞いて
それに自宅に戻れば、以前の
「そういえば、大学には復帰するの?」
湊人は気になっていたことを訊いた。
「ううん、まだしばらくは自宅と病院の往復かな。ほら、勉強の内容とか覚えてないから、いま復帰しても授業についていけないと思うし」
「そっか…、それはたしかに、そうだよね」
湊人はすこし落胆した。湊人としては、珠月とまた大学で一緒に授業を受けられるのを楽しみにしていたのだ。
「たぶん、様子見て先生がおっけーしたら、そのときはまた大学に通えると思う」
珠月はそう言って苦笑いした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます