第22話
湊人がしばらく専門店街のなかをぐるぐると
それは、小さな
そういえば、珠月のピアスの穴はまだ塞がっていないだろうかと思った。それならこのピアスをいまの珠月にプレゼントし、それをつけてもらえば穴が塞がらずにすむ。珠月の記憶が戻ったとき、知らないあいだにピアスの穴が塞がっていたら、珠月はきっとショックをうけるだろうなと湊人は考えた。
三日月か…。
そういえば、月は
真っ暗な新月が少しずつ満ちていく途中、満月までの
それなら、まるでいまのおれたちのようだなと思った。
大学生になり、もう一年したら
月の満ち欠けのように笑ったり泣いたり、喜んだり苦しんだりを繰り返す、この三日月は大学生の
また、欠けた月がまた満ちるように、いまは欠けた珠月の記憶もまた戻って欲しいという湊人の願いにも似ているような気がした。
この三日月は、まるで珠月のいまを表しているようだと感じた。
そうだ、珠月にこれをプレゼントしよう。ピアスの穴が塞がらないようにと、また、はやく記憶を思い出して欲しいという願いを込めたプレゼントにしよう、湊人はそう考えた。
よし、これに決めた。このピアスを買って珠月にプレゼントするぞ。
湊人はそう決意し、アクセサリーショップの店員へ声をかけた。
改めてピアスの
小さな
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます