千陽編



2022年 5月6日


この日、家族の中で待望の長男として僕は産まれた。千陽って名前はこの時中学生だった一番上のお姉ちゃん、陽葵お姉ちゃんが「千の道を晴らす」って意味で付けてくれたらしいけど、僕はそんな意味なんてどうでもいいと思ってる。それで、僕の話はある程度もう前作で書かれてるし、何から語ろうか悩むんだけど・・・そうだな、僕の妹で旦那でもある恵梨の話でもしようかな。



2027年 11月18日


この日、恵梨が産まれて、僕もお兄ちゃんになるんだって嬉しかったのを覚えてる。僕もまだ幼いながらに恵梨を事が可愛くて仕方なくなって幼稚園から帰ったらいつも恵梨の顔を見に行った。恵梨が言葉を覚えて「にーにばおむこさんにしてやる」なんて言ってくれた時は嬉しかった。小学校の時、僕に彼女ができても恵梨は僕から離れなかったし、お姉ちゃん達はせからしいと思う事あったけど、僕も恵梨にはそういう感情はなかったし、その彼女、今は恵梨と一緒に僕の旦那さんになってくれてる咲里も、それを受け入れてた。


「まあ、千陽んごた可愛い兄ちゃんおったら当たり前だろ」


って。そして、咲里はまだ幼かった恵梨と、僕を半分こしようなんて勝手に約束してた。半分こどころか、咲里はだいぶ恵梨と僕の時間を大事にしてくれてたような気もする・・・ってか実際そうしてたと思う。でも恵梨の方もまだ子供だったのに気をつかって僕と咲里の2人の時間を作ろうとしてくれてた。それで今日は咲里の日、明日は恵梨の日みたいに決めて、2人ともと同じくらいの時を過ごして、僕も恵梨をただの妹とは思えなくなってきてたけど、僕と咲里が高校生になった時でまだ恵梨は小学校5年生だったし、そういう感情は内に秘めていた。男子が産まれなくなって近親婚も重婚も当たり前の時代になってきてたけど、流石に小学生の子供に手を出す気にはなれなかった。恵梨がまだよく覚えてない頃からキスはいっぱいしてたけど、兄妹でキスするくらい当たり前だし、恵梨もお姉ちゃん達と一緒でモテたから、そのうち僕からも離れていくのかななんて思ってた。けど、僕はそれを嫌だと思った。そりゃ僕には咲里がおるけど、僕は咲里に対する気持ちと同じくらいかそれ以上の気持ちを実の妹に向けていた。可愛いくて仕方ない妹がいつか誰かのものになるなんて考えただけで、僕の胸は締め付けられた。咲里もその僕の気持ちに気付いて、恵梨が中学生になったある日、わざわざその機会を用意してくれた。兄として僕から気持ちを伝えようとしたけど、そこで最初に恵梨から告白された時はもう胸がいっぱいだった。その頃、僕と咲里は高校3年生で入籍も済ませて、卒業後は県外の大学に進学するって決めてたから、恵梨も今のうちに伝えたかったって言ってた。そして、僕も思いの丈を打ち明けて、咲里に加えて恵梨も旦那さんにして、2人の旦那にも、璃華姉達にもいっぱい愛情もらって・・・本当に僕は幸せもんだと思う。

















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