芳美編
やんちゃだった私
2012年 9月14日
この日、私は葛西家の次女としてこの世に生を受けた。3つ上、学年でいえば4つ違いの姉ちゃんは私が産まれた時、凄い喜んでたらしい。私も4つ下、学年だと3つ違いの、初めての妹ができた時は幼心に凄い嬉しかったし、その時初めて姉ちゃんの気持ちが分かった気がする。思えば幼少期の私は・・・いや、大人になった今でも私は大のお姉ちゃん子だと思う。
2019年 春
小学校1年生になった私は、周りからはやんちゃ坊主だとか言われて、実際自分で振り返ってもよく死ななかったなてくらいの事はしてたと思う。
「ねーねおきろ〜!」
「ぐぇっ・・・よしみ〜!お前、普通に起こせ普通に!」
「だってねーねふつーにおこしてもいつまっでんおきんもん!にーにも待っとるよ!」
私がにーにって言うのは、姉ちゃんと同じ誕生日の隣の家に住む幼なじみ、陽斗兄ちゃんの事だ。にーにとねーね、つまり陽葵姉ちゃんはいつも、2人で一緒に学校へ行っていた。
「陽斗〜、ちょっと待っとって〜」
お父さんは「陽斗ちゃん、置いてってええよ」なんて言うけど、にーには毎朝ねーねが起きるのを待ってくれていた。そして、慌てて準備したねーねが降りてきて、私も一緒に連れて行ってもらうのがいつものパターン。まあこれは、ほっとくとあちこち行ってしまう私の監視をねーね達がしてたっていうのもあるみたいだけど・・・・・・
「ねえにーに、にーにはねーねのおむこさんなると?」
「は、え、よしちゃん、誰がそぎゃん事言いよったね?」
「はるねーちゃん」
はるねーちゃんとは、ねーね達の幼なじみのお友達の事だ。
「ったく、晴美なうちの妹に変なことばっか教えて・・・」
「で、おむこさんにしてくれると?」
「え、いや、そ、それは・・・・・・」
「あ、ねーねあこなった〜!」
「あこなった〜!」
「せからしい!」
思い返せばこの頃、にーにの方はねーねを少しは異性として意識してたと思うけど、ねーねの方はどうだったんだろうね。それで、学校でも私は色々いたずらとかしまくってて・・・
「えい!」
「あ、よしみ、またおまえか〜!」
ある種伝統的なイタズラとも言えるスカートめくりにハマっていた私は、数少ない男子全員に目の敵にされていた。そして、彼らはねーねにそれをチクった。ねーねは「まあまだ子供だしね」ってそんなに怒んなかったけど、それがにーにの耳にも入っちゃって、今まで見たことのない鬼みたいな顔で怒られて・・・・・・
「ご、ごめんなさああああああああああ!」
皆にちゃんと謝って反省して、にーにが怒ると怖いて知っちゃったから、それから少し私は大人しくしてたんだけど、まあ子供っちゅうのは少し経つと色々忘れるもんで、校庭に落とし穴を掘ったのが見つかって怒られて、虫が飛び出す装置を作ったらパニックになって怒られて、男子に鉄棒やらせてパンツ見てたらまたにーにに見つかって・・・私もなんでこんなイタズラばっかしてたかて言うと、下に妹ができてねーね達の目がそっち行っちゃって、嫉妬みたいなのもあったと思う。それでわざと怒られるような事ばっかして・・・まあそんなやんちゃばっかしてた私だけど、ねーねにとってのにーにみたいな存在がいたから、人として道を踏み外す事はなかった。そう、私の初恋の人・・・・・・
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