9P

「そーゆー関係なしの、食事のみの相手です。あの人はその中の一人で、一番お金くれるけど、関係を持ちたがってて」


「金が必要なのか?親は?」


「いません。身寄りもいません。施設で育ったんです」


そーゆーと、四條さんはバツ悪そうな顔で

「すまなかった」と言ってきた。


「いえ。謝らないで下さい。なので、お金稼いで1人で生きていってるんです」


「そうか。これからはどうするんだ?」


「援交はもう辞めます。連絡先も消しました。なにか普通のバイトを探します」


今までより、稼ぎは悪くなってしまうけど仕方ない。


「鈴、料理はできるか?」


「え?はい」


施設にいる時も作ってたし、1人暮らししてからも作ってたから、ある程度はつくれる。


でも、なんで?


「なら、俺の家で夜ご飯作ってくれ」


「え!?」


い、今なんて?


「あ、あのー。今なんて…?」


「ん?俺の家で、夜ご飯作って欲しいと」


「昨日知り合ったばかりですよ?」


「そうだが?ちゃんと給料もそれ並にだす」


そーゆー問題じゃない気が…。


「まだお互いの事しらないし…。私も四條さんの名前しか知らないし」


少し驚いてた四條さん。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る