第45話

部屋に入ってリビングに案内する



愛未はすぐにお湯を沸かしてお茶を入れてくれた




「女の人苦手なんじゃないの?」



私がこっそり聞くと、



「女の上司が苦手なだけです」



嫌味っぽい言い方をする




「苦手なのに心配してくれてありがとうございます」



私がふてくされると、



「主任は女っぽくないし」



五十嵐は意地悪な笑顔を見せて来る



言っていることは失礼なのになぜだか憎めない



イケメンの笑顔は反則だ




「仲良いね〜」



すると、愛未がお茶を運んで来た




「「そんなことない」です!」



二人でハモってしまう




思わず笑ってしまうと、



「五十嵐くんの彼女とかすごい可愛いんじゃない?」



彼女がいる前提で質問する愛未



そういえば、朝電車で彼女いるって言ってたっけ




「今は彼女いませんよ」



「え?そうなの?」



思わず口を挟んでしまう




「憂佳、食いつきすぎじゃない?」



愛未は驚きながら冷やかしてくる



「違うっ、今日の朝いるって言ってたから」



別に五十嵐に彼女がいたっていなくたって私には関係ない




「あれは知らない子に聞かれたからですよ」



あっさりと言う五十嵐



どっちが本当なのかわからない




「そんなに気になります?」



意地悪な顔を浮かべて言ってきた




「調子に乗るな」



私がそう言うと、



「うわー、怖いわ指導担当」



愛未は面白がっている



私はトイレに行きたくて席を立った

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