第44話

「ここで止めて下さい」



アパートの前まで来て車を止めてもらう



多めにお金を置いて降りようとすると、



「俺も降ります」



五十嵐が起きて一緒に降りて来た




「もったいないので歩いて帰ります」



そう言ってお金を渡して来る



「今日はありがとう」



私がお礼を言っていると、



「あ、憂佳!」



愛未がちょうど歩いて帰って来た



今日飲んで来るって言ってたっけ




「誰?このイケメン」



目を輝かせて小声で聞いてくる




すると、



「新入社員の五十嵐です、主任にご指導頂いています」



聞こえたらしく自分で挨拶をする



やっぱり他人には愛想が良い




「憂佳の指導している新人くんね!」



「私は浦安支社の総務課にいる桐島です」



ニヤニヤしている愛未



全くイケメンが好きなんだから




「では、お疲れ様でした」



そう言って帰ろうとする五十嵐に愛未が声をかける




「お茶でも飲んでいったら?」



……え?嘘でしょ?



愛未ったら酔っ払って悪ノリが激しいよ



五十嵐は困った顔をしているし




私が帰るように言おうとすると、



「じゃあ、少しだけお邪魔します」



まさかの言葉……



絶対断ると思ったのに



無理してるのかな……



部屋を見て馬鹿にしたいとか?



そんなことを考えながら、二人と一緒に部屋に入った

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