第38話

会社に着いて課に入る



田中くん、まだいないな



五十嵐は一生懸命掃除をしている




すると、



「先輩、おはようございます」



田中くんが出勤して来た



「………お、おはよう」



まずい、ぎこちない挨拶になってしまった



意識しすぎかな……




「寝てしまってすみませんでした」



「大丈夫だよ、ごちそうさまでした」



「普通にして下さいね」



堂々としている田中くん



私も意識しないでこれまで通り仲良くしたいな




すると、



「主任、東城さんから電話です」



五十嵐に言われて電話を取る




「はい、夏月です」



「東城です、おはようございます」



「おはようございます」



朝早くからどうしたんだろう……




「今日夜空いてますか?」



この間食事に誘われたことを思い出す



Tojyoとの契約のチャンスだ………




「はい、空いてますよ」



「じゃあ、6時にロイヤルホテルのレストランにお願いします」



ロイヤルホテル……高い所だ



やっぱりお金持ちは違うな




「わかりました、よろしくお願いします」



………?



五十嵐が俺は?と言うように自分を指差して訴えかけて来る



そんなに行きたいのかな



契約のチャンスだから?




「研修生も連れて行って良いでしょうか」



「いや、二人が良いな」



そういえば二人でって言ってたもんな……



「わかりました」




電話を切ると五十嵐が近付いて来る



「私と二人が良いって」



自慢げな顔で言うと、



「自惚れていると痛い目に遭いますよ」



少し不機嫌そうな顔で返して来る




痛い目って……



契約が取れそうな私が羨ましいのかな?




「朝会始めるぞ」



すると、課長の一言で朝会が始まった

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