第42話

拭いても拭いても涙が流れてくる



「何で泣くんだよ」



翔汰は私の頭を優しく撫でてきた




「もう優しくしないで!!」



私が怒ると、翔汰はふざけながら



「もしかして嫉妬した?そんなに俺とキスしたい?」



そう言って顔を近づけて来た




私はその瞬間、



「もう良い加減にしてっ!」



翔汰の頬を思いっきり叩いた





「私は今でも翔汰が好きなの」



「もう都合の良い幼なじみでいるのは嫌」



「好きなの知ってるくせにからかわないで!!」



ついに自分の想いをぶちまけてしまう



もう好きなんて言わないって決めていたのに





「えれなが俺を?」



翔汰は目を丸くして驚いた顔をしている



3年前から知ってるはず



でも、まさかまだ好きとは思わなかったのかな……







しばらく沈黙が続いた



翔汰は何も言ってくれない



私が立とうとするとようやく口を開く



「ごめん、避けられて嫌われたと思ってた」



「ちょっと考えさせてほしい」



そう言うと、静かに部屋を出て行った

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