第33話

家に帰って寝る前まで今日のことが頭から離れない



「彼氏が出来たら止めてやるよ」



翔汰に言われた言葉



彼氏が出来たら……



告白してくれた大地の顔が浮かぶ




大地のことは友達として好きだし、きっと付き合ったら楽しいんだろうな……



でも、私はまだ翔汰が好き



そんな簡単に切り替えられない……




幼なじみじゃなければ避けて疎遠になれるのに



いっそのこと突き離してほしい



幼なじみでいるなんてやっぱり無謀だったんだ





…………♫



1人で悩んでいると、結菜から電話が来た




「えれな、大丈夫?」



あれ?まだ何も話してないんだけどな……




「え?なんで?」



「今日大地と二人で話したんでしょ?」



「部活の後、教室で大地に会って聞いちゃった」



「えれなのことだからきっと悩んでるだろうなって」



私が行く前に大地と会ったんだ……



私は今の気持ちを打ち明ける




すると、



「大地と付き合ったらどうかな?」



「翔汰くんのことはもう良い加減諦めなきゃ前に進めないよ」



結菜は真面目な声で言った




結菜の言う通りだ



翔汰は私を幼なじみとしてしか見てくれない



3年経ったって何も変わらない



でも、だからと言って大地と付き合うのは違うと思う



こんな気持ちじゃ大地に失礼だ




「翔汰のことは頑張って諦めようと思う」



「でも、大地とも付き合わない」




これ以上好きになる前に早く諦めなきゃ



付き合うフリなんか止めて普通の幼なじみになる



大地のこともちゃんと断らなきゃな




結菜にはっきり言ってもらって少し気持ちが落ち着いた



翔汰や大地としっかり向き合わなきゃ

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