第17話

「俺の彼女のフリしてくれない?」



………!!?



今、何て言った?



彼女のフリ?



そんなのありえない……




「バカじゃないの、良い加減にして」



私は腹が立ってきた



幼なじみでいたいって言ってきたくせに、彼女のフリとか何なの?



私の気持ちも知らないで自分勝手すぎる……




「俺、モテすぎて困ってんの」



「追いかけられたりすんの嫌だし、部活にも迷惑かけるからさ〜」



「彼女がいれば収まると思うんだよね……」



どうやら翔汰は本気で言っているらしい



やっぱりモテすぎて頭がおかしくなったんだ……




「誰でも良いなら他の人に頼んでよ、私は嫌だ」



そう言って部屋を出て行こうとすると、



「……ちょっと待って」



翔汰に腕を掴まれる



力強くて振り切ることが出来ない




「してくれないなら、涼介くんに言っちゃうけど……」



ん?お兄ちゃんに……?



「……何のこと?」



私は翔汰が何を言いたいのかさっぱり分からない




「今日えれなが一緒にいた人、涼介くんが好きなんだろ?」



「俺聞いちゃったんだよね……」



そう言って意地悪な笑みを浮かべる




……結菜の話、聞かれてたんだ



今お兄ちゃんにそんなこと言ったら、結菜はフラれるに決まってる



お兄ちゃんも部活に集中出来ないかもしれない

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