第13話

「で、えれなはどうなの?さっき翔汰くんしか見えてなかったよね」



結菜はニヤニヤしている




「そんなことない……って言ったら嘘になるけど、普通に話しかけられて嬉しかったかな」



「でも、もう好きにならないって決めてるから」



私は自分に言い聞かせるように言う




「3年前に決めたこと、無理だったらもうちょっと頑張ってみても良いんじゃない?」



「翔汰くんだって少しは大人になったわけだし、3年前は小学生でしょ」



「無理に諦めようとすると後悔するよ」



結菜は私のことを考えて助言してくれた




でも、翔汰はあの日私にはっきりと言ったんだ



"幼なじみでいたい"って……



辛くて避けちゃったけど、今も翔汰が望むなら幼なじみでいてあげたい




「じゃあ、大地は?そういえば、今日付き合うのアリだって言ってたじゃん」



「きっと、大地はえれなのことが好きだよ」



まったく……すぐそうやって大地と私のことをからかうんだから



あんなの冗談に決まってる




「あれは冗談だって!好きなわけないじゃん」



「まあ、そのうち告られたらちゃんと考えなよ」



「ないから大丈夫!自主練行こう!」



まったく結菜は何を言ってるんだろう



大地が私に告白する訳ないじゃん……

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