第8話

すると、後ろから誰かに肩を叩かれた



「おーい!俺のこと呼んだ?」



振り向くと、噂をしていた大地が立っていた




宮田 大地(みやた だいち)



1年生の時も同じクラスで仲の良い男友達



中学も一緒だけどクラスが違ってほとんど話したことはなかった




大地は中学の時は陸上部だったけど、高校からバスケ部に入っている



よく結菜にお似合いだって言われるけど、友達として仲が良すぎて恋愛対象には見れないかな……




「何も言ってないし、自意識過剰なんじゃない?」



「おい、嘘つくな!」



大地をからかいながら教室に入ると、黒板に席順が貼ってあった



「あ、席順貼ってあるよ!」



「俺らまた前後だな〜」



「当たり前じゃん、三浦と宮田なんだから」



最初はあいうえお順だから1年の最初も席が前後だった




「俺の前の席で嬉しいくせに」



「は?うるさいから嫌だし」



口ではそう言ったけど、人見知りな私は大地が後ろの席で安心していた




「二人とも本当仲良いよね〜」



「付き合っちゃえばいいのに」



結菜が遠くの席からこっちに来てニヤニヤしながら言って来る




「いやいや、ないでしょ〜」



「俺はありだけどな」



………!!



ん?………今、大地なんて言った?



いつも私のことバカにしてるのに……




大地の言葉に驚いていると、



「あ、新入生が登校し始めてるよ」



「あの男の子カッコ良くない??」



クラスの女子が窓際でざわめき出した

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