1366 えっ?噓でしょ?

 疲れで崇秀の部屋で寝てしまった眞子。

目覚めると既に崇秀の姿がなく落ち込んでいたら、崇秀が帰宅。


そしてモーニングキスをしたら、何故か仄かなお酒の味が……


***


「あっ、あれ?崇秀さん、ひょっとして、お酒飲んでる?」

「んあ?あぁ、さっきまで、熊髭のオッサンのネストで飲んでたからな。ちょっと酒の味が残ってるかもな」


この言葉が、私がプンスカ怒ってる原因に成った言葉。


余りにもショックな言葉だったのよ。


だって、だって、考えてもみて下さいよ。

寝ている私を置いて、どこかに遊びに行っちゃうなんて有り得なくないですか?


この悪魔的な仕打ち。

余りにも酷くないですか?


部屋に私を1人だけ置いてけ堀にするなんて……悲し過ぎますよ。



……っとまぁ、此処までが、私の心境をお伝えした一部始終です。


故に、此処からプンスカプンです。


***


「うぅ……うぅ……」

「んあ?なんだよ?どうしたんだよ?なにを唸ってるんだ?」

「……酷いよぉ」

「んあ?なっ、なにがだよ?」

「酷いよ。残酷だよ。そりゃあないよぉ」

「だから、なにがだよ?」

「私一人だけ部屋に残して置いて、自分だけ一人で飲みに行くなんて、余りにも酷いよ。残酷だよ。どこかに行くなら、起してくれれば良かったのに」


どんなに疲れてても。

崇秀さんが私を何処かに連れて行ってくれるって言うなら、いつでも、どんな状態でも、喜んで起き上がる仕組みになってるって言うのにさぁ。


それを、1人で飲みに行くなんて残酷ですよ。

これはまさに、グリム童話級の仕打ちと言っても過言じゃないですよ。


此処は『私の取扱説明書』に、ちゃんと掲載されておりますので、必ず憶えて置いて下さい。


だから、起してくれたって良いじゃないですか!!


プンスカプンですよ!!



「いや、起すも、何もな。オマエ、疲れてグッスリ寝てたじゃん」

「それでも起こして下さいよ。起してくれさえすれば、ちゃんと起きますよ」

「そうなんか?けど、疲れてる奴を起してまで、無理に連れて行く必要なんかなくね?」

「ありますよ!!私が付いて行かなくて、どうするんですか!!」

「そうなんか?」

「そうなんです!!私は、出来る限り崇秀さんと1分でも、1秒でも一緒に居たいんです。疲れてるとか、寝てないとか、そんな些細な事なんて関係ないんです!!」

「そっ、そうか。そりゃあ、悪かったな」


まったくぅ~~!!

そうやって一人で飲みに行った際に、悪い虫でも付いたら、どうするんですか?

崇秀さんに厚かましくも寄って来る、鏡を見た事が無いであろうブス女は、世の中には溢れ返ってて、蔓延してるんですよ。

そう言う厚かましい害虫を『完全に駆除する係』の私が居ないと、大変な事に成っちゃいかねないんですからね。


良いですか?解りましたか?


まぁ、そうは言いましてもね。

私だって、崇秀さんなら、その程度の女子なら軽くあしらって、靡く事なんて100%ないのは解ってはいるんですがね。


それでも駆除係は必要ですから、今度からは、なにがあっても私を必ず同行させて下さいよ!!

今度連れて行かないなんて事があったら、起きた瞬間、意地でも店を探し出して、崇秀さんの名前を叫びながら店前でビィビィ泣きますからね。


言って置きますけど、マジでやりますからね。


これは冗談でもなんでもじゃないんですからね!!



「もぉ……」

「まぁ、そう怒るなっての。ちょっと野暮用で行ってただけなんだからよぉ」


ほらね。

こうやって『ちょっと出ただけ』とか警戒心の欠片もない様なセリフを軽々しく言うでしょ。


こう言う所が、全然、自覚が足りてない証拠なんだよね。

女性にとって『崇秀さんが素敵だ』って事を、もっと理解して下さいよ。


ホントなに考えてるんだろうね?


野暮用で行ってるだけでも。

馬鹿ブス共は、そう言う知覚力にだけは優れてるから、何所からともなく、直ぐに近寄って来るんですよ。


もぉ、本当に気を付けて下さいよ。


ダメですよ。


メッですよメッ!!


……っとまぁ。

こうやって、いつまでも怒っていても仕方がないので。

此処は一旦、話が付いた事ですし『何をしに行ったか?』の話に戻しましょう。


いい加減、怒るのも疲れるしね。



「野暮用?野暮用って、なんですかね?」

「奈津ネェだよ、奈津ネェ」

「奈津ネェ?……あぁ、そう言えば、奈津ネェって。来週……あぁいや、もぉ週が明けたから今週なるのかぁ。確か奈津ネェって、イギリス留学するんだったんだよね。その話をしにネストに行ったの?」

「そぉそぉ。だから理由としては、その餞別を渡しに行ってただけだ」

「そっか、そっか。……でも、お餞別を渡しに行っただけなのに、お酒は飲んでるんだね」

「アホ。居酒屋行って、それだけで帰って来る訳にもイカネェだろ。一杯ぐらい飲まないで、どうすんだよ」


あっ、そっか。

言われてみれば、そりゃあ、そうだね。

そりゃあ余りにも、店側に対して失礼極まりないね。



「あぁ、そっか。……っで、一杯飲んで、直ぐに帰って来たって感じ?」

「いや、俺も、そのつもりではいたんだけどな。偶々、店で、倉津と、向井さんに出くわしてな。一杯だけ付き合ってきた」


はい?



「えっ?……ちょっと待って。今、なんて言ったの?」


……嘘でしょ。

今の言葉って、幻聴だよね。


私を抜きにして、奈緒ネェと、真琴ちゃんと一緒に飲んでたなんて……嘘だよね。


そんな訳ないよね(;д;lll)


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


なにをプンスカ怒っているのかと思えば……実は、こんな些細な事で怒ってたんですね(笑)


まぁ、そんな風に些細な事なだけ、此処はアッサリと解決したのですが。

崇秀と倉津君と奈緒さんで飲んでいた事に対して、また、なにやら反応している様子。


今度は、何が引っ掛かったんでしょうね?


次回は、その辺を書いていこうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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