1361 難しい条件の出し方(馬鹿限定(笑))
崇秀が、奈緒さんの言う『家族ごっこ』に参加する条件として。
奈緒さんには『生涯の人気のキープ』倉津君には『高校受験の成功』と言う、あまりにも落差のある条件を出された倉津君は……
***
「なんだよなんだよ?その顔はよぉ。そんなシカメッ面するって事は、ひょっとしてオマエ、高校受験の合格すら危ういのか?」
そこちゃうわ!!
「あぁ?」
「ほんとショウガネェ野郎だな。それが、そこまでキツイなら、もっと別の簡単な条件にしてやってもいいぞ?」
「んだと?……この野郎」
「あっ!!クラ!!」
いやいや、心配には及びませんよ奈緒さん。
いやまぁ怒ってはいるのですが、そこまで怒ってる訳ではないので、此処で喧嘩とかを始める気はないんで、まずはご安心下され。
ただ単に舐められた条件を突き付けられたのが嫌で怒ってるだけの話なんで。
それに出された条件である、高校受験の合格に関してもッスね。
最近じゃあ、こう見えても俺、眞子のお陰もあって、結構、勉強が出来る方なんッスよ。
なので高校の受験位、屁の河童ッスよ。
「心配ないッスよ、奈緒さん。コイツの出した高校受験の合格ぐらいなら余裕のプゥですからね。俺は、そこを言ってるんじゃないんッスよ」
「いやまぁ、そうなんだろうけど。クラ、私が言いたい事は、そう言う事じゃなくて……」
「なんだ?だったら、その様子じゃあ、俺の出した条件に不満でも有るとでも言いたいのか?」
そういうこった。
……にしても、あれだな。
なにかを伝えようと奈緒さんが言葉を発してたみたいだけど。
崇秀が重ねて来た大きな声にかき消されたから、なにを言ってたのかハッキリとは聞き取れなかったな。
あれ、なんて言ったんだろうな?
いや、奈緒さんは、なにを言うつもりだったんだろうか?
……って、まぁ良いか。
折角盛り上がって来たんだから、此処は敢えて奈緒さんの意見は聞こえなかった事にして置こう。
多分、なにか細かい部分の注意をしようとしただけだろうしな。
ゴメンな奈緒さん。
(↑ノリに身を任せたいだけの俺)
「当たり前だ!!なんで奈緒さんの条件が『生涯人気のキープ』で、俺の条件が『高校入学』なんだよ!!そんなもん、俺を舐めるにも程があるだろ!!」
「だからクラ……」
「ほぉ……じゃあ、なにか?そうやって見縊られた条件を出されたのが気に入らないから、自らハードルを上げたいとでも言いたいのか?折角、オマエのレベルに合わせてサービスしてやってるって言うのに、なんとも奇特な真似をする奴だな」
またか。
また崇秀は自分の声を重ねて、奈緒さんの言葉をシャットダウンしてきたな。
それ、なんか意味があるのか?
けど、その理由がどうあれ。
此処は男として、彼女の前で見縊られる訳にはいかねぇし、コイツ相手に引く訳にもいかないッスから、此処は1つ、奈緒さんは成り行きを黙って見守ってて下さい。
なんとしても、此処はバッチリ決めちゃいますんで!!
「当然だ!!彼女の前で、こんな不当な扱いされて堪るかよ!!条件を上げたいなら、条件をあげて見せろや!!」
「あっそ。それなら、向井さんと同じ条件で『俺と対等な立ち位置』って感じで宜しく。これで良いか?異存はねぇな?」
「あぁ、上等だよ。それぐらいで丁度良い位だ」
「ククッ……そうか、そうか。そりゃあまた、結構なこった」
まぁ、奈緒さんと同じ条件なら、厳しくても有りは有りだよな。
こんな事ぐらいで、彼女の前で見縊られた行動をとられるぐらいなら、少々厳しい条件でも受けた方が得策ってもんだしな。
どうやってでも恥をかかされるのだけは、御免被りたいからな。
だから、その条件に乗ってやるよ。
OKだOK。
「あぁ、もぉこの馬鹿。……また懲りずに、やっちゃったよ、この子だけは」
はい?
なんで、そんな事を言うんッスか?
条件まで、お揃いだなんて最高じゃないですか。
だからもぉ、それで良いじゃないッスか。
この条件なら、特に何の問題もない筈ですしね。
「なっ、なにがッスか?」
「『なっ、なにがッスか?』じゃないわよ」
「へっ?」
「だから『へっ?』じゃなくてぇ。もぉ……完全に、仲居間さんのペースに乗せられてるじゃない」
「いやいやいやいや、何を言うかと思えば、そんなの全然乗せられてないッスよ。これは、俺が、自ら選んだ道なんッスから」
「馬鹿……それが乗せられてるって言うのよ」
なんでだ?
なんでそうなるんだ?
これは俺が決めた事なんだから、なにも崇秀のアホンダラァに乗せられてないんじゃないッスかね。
おかしいなぁ……なんでそんな話になるんだ?
「なんでッスか?」
「クラ。……なんでもいいから、一回冷静になって、仲居間さんの出した条件、もう一度よく噛み締めてみなよ」
冷静に……っと言われてもッスなぁ。
どこまで行っても、これは自分で納得して受け入れた条件な訳ッスから、特に問題はないと思うんッスけどねぇ。
だって、冷静に考えても「奈緒さんと同じ条件」ってだけの話っすからね。
「いや、それって奈緒さんと同じ条件ッスよね」
「だ~~か~~~ら~~~~。その条件が、なんだったか?って私は聞いてるの。私と同じとか言ってずに、ちゃんと口に出して、その条件とやらを再確認してみなよ」
「いや、だからッスね。単純に、この馬鹿と……対……等な……立場?」
うん?
うぅ~~~~ん?
( ゚д゚)ハッ!
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
普通、気付きますよね。
でも我らが倉津君は、熱くなるアホなので気付きませんでした(笑)
ホント近年稀にも見ないアホですね。
さてさて、そんな倉津君を見た、奈緒さんの感想を次回は書いていきたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
まぁ言うて、呆れられるだけでしょうけどね(笑)
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