1355 崇秀が眞子に惚れてる理由

 奈緒さんや倉津君の誘いもあって、ライブ成功のお祝いに一杯だけ付き合う事にした崇秀。

そんな中にあって、ある奈緒さんの行動が切欠に成って、何故か眞子の話に……


***


「つぅかよぉ。オマエって、ホント、眞子が好きだよな。なんで、そんなに好きなんだ?」

「なんで?かってか……そんなもん、言うまでもねぇだろに。好きだから、好きなだけだ。それ以外に、なにが有るって言うんだよ。大体なぁ。好きなものに理由なんぞ有るか、このバカタレが」

「いや、そりゃあそうだけどよぉ。それ以前に、オマエ、そう言う事を、人前で言う様な奴だったっけ?」

「まぁ、普段は口が裂けても、そんな気持ちの悪い言葉は吐かねぇな。けどな、それが眞子と成れば話は別だ。アイツだけは特別だ」


あぁ……ヤッパリ『特別扱い』なのは間違ってなかったんだな。



「なんでだよ?なんで特別なんだよ?それによぉ。なんでオマエが、そこまで眞子に固執する訳?」

「なんでって、なんだよ。それ、どういう意味だよ」

「いや、どう考えても。オマエなら、別にアイツである必要ってなくね?」

「馬鹿言うな。俺にとっちゃあアイツは、俺の半身も同然の女なんだぞ。だったら、そこに固執しないでどうするよ?それによぉ『見た目』『性格』『性能』どれをとっても、アイツは一級品だ。だから、そう言う言葉が、俺から自然に出て来ても、おかしくはないんじゃねぇか?」


いやまぁ、そうなんだけどな。

俺が求めてる、崇秀が眞子を好きな理由としては、どこか、なんかが違う様な気がするんだよなぁ。


まぁ確かにな。

崇秀が言う様に、眞子の、あのハイスペックな性能を目の当たりにすりゃあ、才能好きのオマエが、アイツに夢中に成るのは解らなくもねぇけどな。


……でもよぉ。

ヤッパリ、理由が、それだけじゃ酷い違和感しか感じないんだよな。


大体、オマエ程の奴が、眞子を好きになる理由を『恵まれた才能』や『見た目』だけに限定するってのもなぁ。


なんか腑に落ちねぇ。


こんなもん、誰だって、そう思って当たり前の話だからな。


理由としては、どうにも釈然としねぇ感じなんだよなぁ。



本当に、そんな単純な理由なのか?



「あの、仲居間さん。さっきの話も含めて。仲居間さんにとって、ウチの妹って、そんなに大切な存在なんですか?」


質問しようとしたら、奈緒さんに先を越された。


ヤッパリ奈緒さんも、ハッキリとした理由が解らないと不安になって来たんッスね。


その気持ち、よく解りますよ。



「あぁ、言うまでもなく大切だな。世界で一番、大切な女だと思ってるな」

「えっ?……そんなに?」

「そうだな。その証拠にな。俺は、アイツが幸せそうに笑ってるだけで、気持ちがグッと和むからな。こんな気持ちには、生まれてこの方、成った事がねぇ。それだけでも、アイツを、いつも傍において置きたい、と言う気持ちになるもは否めねぇし。その笑顔で居られる様に大切にズッと守ってやりたいとも思う。それが、普通なんじゃねぇか」

「そこまで……」

「あぁ、誰がなんと言おうと、アイツだけは誰にも譲る気はねぇよ。俺だけの女だ」


あぁ、その理由は、かなり共感出来るな。


俺も、奈緒さんの笑顔を見たら。

出来ない也にも、その笑顔を必至に守ろうって思うし、そんな笑顔を誰にも譲りたくねぇもんな。


確かに、これは一理ある意見だな。


……けどな。

結果的に言えば、やっぱり、まだ具体的な『眞子が好きな理由』を何も言ってない様な気がするんだよなぁ。

『好きだから好きだ』とか『自分の半身だからだ』とか『性能が高いからだ』とか『笑顔で和む』とか言ってたけどよぉ。

コイツが、そんな極有り触れた理由で、眞子に、これ程までに入れ込むとは、どうしても思えねぇ。


なんかまだ有りそうじゃね?



まぁ、その辺の本音を引き出す為にも、此処1つ、崇秀に話を合わせて置くか。



「だな。確かに、そう言う気持ちに成るよな」

「だろ。……あぁ、けどな。それとは別に、アイツを大切にする理由も有るんだぞ」


おっ……『好きなモノに理由が無い』なんて言ってた割には、ヤッパリ、ちゃんとした理由があるんじゃねぇかよ。


それにしても、あれだな。

今日のオマエは、やけに自分の事をベラベラ喋るじゃねぇか。


この辺は、俺の思惑が通じたからこそ、この馬鹿も真相を話す気に成ってるみたいだな。

(↑思い込みが激しい俺)


勿体付けやがって。


……っで、その理由ってなんなんだ?



「えっ?それって、なんなんですか?」


また奈緒さんに先に聞かれた。


まぁ此処は、もぉ、いつもの定番だから気にしないでおこう。

同じ質問をするだけなら、誰が聞いても同じなんだしな。

なら、眞子の事を心配してくれてる奈緒さんに聞かせてあげた方がよさそうだしね。



「それはな。アイツが14年間もの間、倉津の中で生きてるとも、生きてないとも解らない状態で生きてきたからだ」


えっ?なっ、なんだよ、それ?

なんなんだよ、その理由は?


本気で、そこ……なのか崇秀?


( ゚д゚)ハッ!


まさかオマエ、そんな理由だって事なら、アイツに同情して付き合ってるんじゃねぇだろうな?

そんなんで『大切』にされたって、後で眞子が、そんな事実を知ったら傷付くだけじゃねぇかよ。


オマエに嫌われない様に、頑張ってるアイツは……なんなんだよ?


それじゃあ、あまりにも報われなくないか?


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


崇秀が眞子を好きな理由は、皆さんもお察しの通りなのですが。

わざわざ崇秀が、それを口に出してまで言うって事は、ひょっとしたら、それとは別の思惑があるのかもしれませんね。


だって、こう言う事を人前で言う事自体が、崇秀のキャラクターではありませんからね(笑)


さてさて、そんな中。

崇秀が眞子の好きな理由に、なにやら納得できない倉津君。


今度こそ倉津君の予想が的中してしまうのか?


次回は、その辺を書いていこうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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