1347 愛情診断と、その後の奇妙な会話
奈緒さんによる愛情診断で、奈緒さんについての質問をされる倉津君。
少々余計な事を言ってしまったが、それでも此処までは上手く回答出来たのだが……それ以降は?
***
「まぁ、良いっか。……じゃあ、次の質問ね」
「今度は、なんッスか?」
「私が、クラと、初めて手を繋いだのは……」
おっ……付き合い始めてからの具体的な質問が来たな。
でも、その質問なら100%大丈夫ッスよ。
「あぁ、それなら。崇秀主催の合コン後。2週間経ってから、蓮高の前で、俺が、奈緒さんを待ち伏せしてた時ッスね」
「……ですが。初キッスをしたのは何所でしょ」
フェイントっすか?
けど、そちらでも問題なしッス。
それも、ちゃんと憶えてますからね。
寧ろ忘れ様がないぐらい、夢の様な瞬間だったッスからね。
「あぁ、そっちッスか。けど、なんか懐かしいッスね」
「そうだね。……っで、何所だったっけ?」
「ハマの練習スタジオで、ベース教えて貰ってる時に。奈緒さんを抱きしめて『痛い』って言われた後に。不意を付かれた、あの瞬間ッスね。あの時は、本当に吃驚しましたよ」
「ふ~~~ん。凄いね。そこまで鮮明に憶えてるもんなんだね」
「そりゃあそうッスよ。まずにして、俺自身がファーストキッスだったし。俺が、奈緒さんみたいな可愛い人とキスが出来るなんて、夢にも思ってませんでしたからね。もぉあの時は、マジで死んでも良いと思いましたよ」
「じゃあ、今はどうなの?」
「勿論、今も同じッスよ。そこは何も変わらないッスよ。寧ろ、一生そこは変わらないッス」
変わらぬ忠誠を誓います。
2回程、他の女の子とキスをすると言う破廉恥な真似をしちゃいましたけど、本心での忠誠は一生なにも変わりませんよ。
奈緒さんLOVEッス!!
「言ってくれちゃって。……じゃあ、この質問も正解だから、全問正解だね。……いつも愛情を注いでくれて、ありがとうねクラ」
そう言った後。
テーブルから身を乗り出して。
『チュ』
軽く唇を当てる様にキスをしてくれたんだが。
ヤッパ、奈緒さんのキスは最高級で極上な味ですな。
故に、この最高の感覚を失いたくないんで、もぉ……2度と浮気しません。
***
……さて、まぁそんな感じで、軽い会話と、少しの食事を摂りながらも、奈緒さんとのキスの余韻でハッピーな気分に浸ってたんだが。
突然、なんの前触れもなく、また奈緒さんが、おかしな事を言い始めた。
「……ねぇ、クラ。クラってさぁ。眞子の事、どう思ってる?」
なんて質問をして来たんだよな。
勿論、これじゃあ、奈緒さんの質問の意図が全く見えないから下手な事も言えず。
キッチリと質問の内容を確認する為に、此処は質問返しをして、聞き返す事にした。
「ほぇ?ほほひゅうほほっふか?」
イカン……口に物が一杯入った状態で喋ったから、これじゃあ何を言ってるのかさえ解らんだろうな。
「こ~~~ら。口に物を入れたままで喋らないの」
「ふんまへん。んくっ、んくっ……プハァ!!ブッ!!ゲホッゲホッ!!」
怒られた!!
しかも口の中の物を、ビールで一気に体内に流し込もうとしたんだが、見事に失敗。
器官にモノが詰まって……むせた。
ダッセ俺!!
「ちょ!!クラ、大丈夫?」
「ゲフッ、ゲフッ……あぁ、大丈夫ッス、大丈夫ッス。これぐらい平気ッスよ。……って言うか奈緒さん。そんな事より、その質問、どういう意味合いなんッスか?」
「あぁ、いやね。別に変な意味で言ってる訳じゃないんだけどさぁ。眞子って、ほら、クラから分離して生まれた訳じゃない。だから、そんな眞子を、クラは、どう思ってるのかなぁ?って不意に思っちゃってさ」
そういう意図ッスな。
けど、俺は特になんとも思ってないッスよ。
アイツは、誰がなんと言おうと、俺の大切な姉弟ッスからね。
それ以上に大切に扱ってやる事は有っても、それ以下の扱いをする事だけは絶対に無いです。
「あぁ、そこッスか。けど、俺の中じゃあ、アイツが、眞子って言う個人に成って良かったなぁって位の認識ッスよ。それにアイツ、スゲェ良い奴ッスから。俺なんかの中で埋もれなくて良かったなぁって、同時に思ってますね」
「それだけ?」
「まぁ、そうッスね。それだけと言えば、それだけなんッスけど。……少しアイツが羨ましいとは思いますね」
「それって、ヤッパリ、実家の看板の件?」
正解ッスね。
そこが、俺にとっちゃあ、一番の重荷に成ってる部分ッスからね。
どうしても、そこにだけは拘りが出るんッスよ。
「そうッスね。そこさえなければ、俺も奈緒さんと、もっと表立って付き合う事が出来ますからね。どうしても、そこがあるだけに、色々一歩引いちまう部分があるんッスよ。まぁ、本心を言えば、1度アイツみたいに、なんの蟠りも無く、自由に振舞ってみたいもんッスね」
「ねぇクラ。……だったら眞子に成りたかった?」
「いや、それはないッスね。羨ましいとか、自由に成りたいとは思っても、女じゃ、奈緒さんを愛せないッスからね。だから俺は、そんな眞子に成りたいとは一切思いませんね」
「そっか。そんなに私を好きでいてくれてるんだね」
いや、そんなの当たり前じゃないッスか。
自由なんてチッポケなモノより、奈緒さんの方が一番大切に決まってるじゃないッスか。
それが消えて無くなるぐらいなら……不自由なままの方が、十分に満足ッスよ。
「そりゃあ、そうッスよ。俺の人生の於ける基準は、全て奈緒さんに集約されてるんッスから。まずは、そこを外しちゃ意味が無いじゃないッスか」
「そっか。……じゃあさぁ、私が女の子でもOKって言ったら、どぉする?」
うん?なんの話だこれ?
一応は奈緒さんの意図を理解した上で会話をしてるつもりだったんだが、なんか微妙に話にズレが生じてるような気がしないでもないな。
『眞子に成ってみたかったか?』って俺に対する話から→『女でもOK』って奈緒さんの恋愛事情の話に変わってるんだが……
一体、奈緒さんは、さっきから、なんの話をしてるんだ?
・・・・・・
( ゚д゚)ハッ!
ひょっとして奈緒さんって、実は、眞子を恋愛対称に見てる節でも有るのかな?
それとも、俺が自由に成って、誰にも遠慮しない状態で、普通に一緒に生きてみたいって願望でもあるのか?
今回ばっかりは、本当に、なんか良くわかんねぇな。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
愛情診断については全問正解パーフェクトで、ご褒美にキス……までは良かったのですが。
なにやら、その愛情診断で納得したからこそ、奈緒さんが奇妙な質問をし始めましたね。
一体、彼女は、何がしたいのか?
そして、何が言いたいのか?
次回は、その辺を書いていこうと思いますので。
良かったら、また遊びに来てくださいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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