1344 話題を変えてみたら

 東京ドームでのライブの成功をお祝いをする2人。

そして倉津君が、なにやらその場での話題を振るようなのですが……それは如何なるものなのか?


***


「まぁ、そうッスね。けど、まぁそれはそれとして、奈緒さん」

「うん?」

「こうやって2人で、ゆっくり飲むのって久しぶりッスよね」


コッチの話に乗って下さい。


今は、どうしても、そう言う楽しい流れに持って行きたいもんで。



「あぁ、そう言われてみれば、そうだね。最近は、いつも誰かが居たから、下手したら2人で飲むのって1年振り位なんじゃない?」

「そんなになるッスか?」

「そぉそぉ。ほらほら、この間、クラの家に行った時も飲めなかったし。帰国して直ぐの時も一緒に飲んでないでしょ」

「そうッスね。ホント、翌々考えてみたら、去年のクリスマス以来ッスね。まぁ俺が、病院でくたばってたのがその一番の原因なんッスけどね」

「まぁまぁ、そこはもぉ良いじゃない。折角の楽しいお酒がシミッタレたお酒になっちゃうから、そういう話はヤメよ」

「そうッスね。賛成ッス」


いやはや、矢張り、奈緒さんは最高に良いッスな。


話に乗ってくれた上に、俺の馬鹿な昏睡の話は、すべてカット。

ホント、ありがたいですな。



「でもさぁ。逆に言えば。2人で飲んでるのって、なんか勿体無い気がするね」

「へっ?そりゃあ、またなんでッスか?」

「『なんで?』って、聞かれてもねぇ。う~~~~ん。なんて言うのかなぁ?ほら、この間さぁ。……ってか、一昨日。仲居間さんの家に、2人でお世話に成ったじゃない」

「あぁ、はい、成りましたね。それが何か『勿体無い』って意識と関係有るんッスか?」

「うん。実は、あの時にね。眞子の部屋で、結構、眞子と色々と喋っててね。その時フッと思ったのよ。私と、クラと、眞子と、仲居間さんが、なんか一生一緒に、こんな感じで居られたら良いなぁってね」


ほぉ……それはまた唐突に面白い事を考え付いたもんですな。

この間のお泊りの際に、そんな事を考えてたんッスね。


まぁけど俺としては、2人の時間を満喫したいから、余り邪魔者は居て欲しくない心境なんだがな。


それに、眞子は姉弟だから良いけど……崇秀はなぁ。


なにかと面倒だからなぁ、アイツは。



「へぇ~~~っ、具体的に言えば、どういう話をしてたんッスか?」

「う~~~ん、そうだねぇ。単純に言えば、4人で一生、家族ごっこみたいなのがしたいかなぁって感じの話」

「家族ゴッコっすか。まぁ、眞子は解らなくもないッスけど。なんで崇秀まで」


いやな。

別に下衆な勘繰りをする訳じゃないんだがな。

あの超絶お馬鹿太郎を『家族として迎えたい』なんて思う奇特な奴は、世界広しと言えども、眞子以外には存在しないと思うんだよなぁ。

……だったら奈緒さんと、崇秀の間に、なにかが有ったと考えるのが順当なラインだろ。


もし俺の考えが正しければ、その奈緒さんと崇秀の間に、そのなにが有ったのかが気に成る処なんだよな。



「なんでって。仲居間さんは、眞子の彼氏だし、クラの親友じゃない。だったら、お互いが結婚さえすれば、一生家族ぐるみの付き合いになるんじゃないの?」


あっ……なるほど、そう言う事ッスか。

その構図から考えれば、確かに一生の付き合いにはなるッスな。


けど、あれだな。

まぁ、世間では眞子の真実は公表されてないからアレなんだが。

眞子の誕生日が6月6日に設定されてる以上『俺の姉になる』訳だから。

この関係が成立したら、俺は崇秀の事を『兄さん』って呼ばなきゃいけないのか?


嫌だぁ~~~!!


あぁでもまてよ。

それ以前に眞子は、今現在、奈緒さんの妹になってる訳だから。

この場合、崇秀は『俺に義弟なる』可能性もあるわけだな……


だったら、まぁ……やっぱ嫌だぁ~~~!!

あんな化け物みたいな奴を弟なんかにしたくねぇ~~~!!


……ってイカン、イカン。

どうでも良い事を考えてたら、思考がそれてしまった。


修正せねば……



「あっ、確かに、そうッスね」

「でしょ。……うん?……ってかクラ。今、何か私を疑ったでしょ」

「いやいやいやいや、疑ってなんかないッスよ。俺は、奈緒さんを疑う様な無様な真似はしないッスよ。……ただ、俺が昏睡してた期間に、なんか有ったのかなぁ?っとは思いましたけどね」

「ふふっ、大丈夫、大丈夫。そんな風にクラが心配する様な事は、なにもなかったよ。……でも、クラがいない分、一杯親切にはして貰ったけどね。此処は多分、クラを昏睡させちゃった責任感から来るものだろうけどね」


そっか、そっかぁ。

事情はどうあれ、ヤッパリ崇秀の世話には成ってたか。


つぅか、どうせアイツの事だから。

奈緒さんの言った通り、俺が昏睡したのを自分のせいだと思い込んでの、お節介だったんだろうけどな。


あいつ自身も、そこに他意はなかった筈だ。

なんと言っても、アイツには眞子って彼女が居る訳だしな。


まぁ、その時点で眞子と付き合ってたかどうかはわからんが、それでも恐らくは問題はない筈だ。



「なるほど、そう言う事だったんッスね」

「うん。そうだね。だからね、私、恋愛感情は一切無いけど。仲居間さんの事、結構、好きなんだよね」

「……あのッスね。一応聞きますけど、本当に恋愛感情はないんッスよね?」

「ふふっ。ホント心配しなくても大丈夫だって。君が、私の傍に居てくれるなら、私は余所見なんて、絶対にしないから。但し、シッカリ私を捕まえておくんだよ」

「あぁ、ウッス。それは勿論ッスよ」


うんうん。

奈緒さんが、そんな風に思っててくれるなら、あのお馬鹿太郎を家族の末席に加えてやるのも悪かねぇやな。


どうせ嫌がった所で、腐れ縁でアイツとは一生付き合う事になるだろうしな。


この辺は諦めも肝心だ。


……なんて思って居たら。

奈津ネェが、小鉢に綺麗に盛り付けられた料理を、沢山持ってきてくれた。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


取り敢えずは、倉津君の降った話題は成功したみたいですね。

そしてその際に奈緒さんは、倉津君の話題に話を合わせながらも、地震が秘かに考えていた『家族ごっこの件』を提案。


意外にもこれは、アッサリと倉津君も了承したみたいですね。


まぁ、いつも通り、ブゥブゥと文句は言ってましたが……(笑)


さてさて、そんな雰囲気の良い中。

奈津樹さんが料理を運んで来てくれた様なのですが……どの様な物が運ばれてきたのか?


そして、それを見た奈緒さんは……


次回は、その辺を書いていこうと思いますので。

良かったら、また遊びに来てくださいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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