第40話

「恋音…」


「ごめんなさい。…ハル?別れよう。…ハルと結婚できて、プロポーズしてもらえて、すごく幸せだよ。でも、わたしはハルを不幸にしちゃうの。また病気に縛りつけちゃうの。同じ苦しみを。それ以上の苦しみを味あわせたくない。自分勝手でごめんね。わたしに、ハルを縛りつける権利なんてないのにね。…ハル。…陽紀。別れて下さい。」



陽紀なんて初めて呼ぶのがそれかよ。恋音?

俺が恋音との幸せを望めば望むほど恋音は苦しんでいたのか?


また、俺はなにも気付いてやれなかったのか。

…別れるわけがない。

どうやれば、伝わる?

俺がこんなにも恋音が大切だということが。

恋音がいなくなるなんて考えられないんだ。

…考えたくないんだ。

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