第34話

どうして…?

どうして嬉しいのに辛いんだろう。

苦しいんだろう。

涙がでるんだろう。



ごめんね。

もしも、生んであげられなかったらごめんね。

ママね、死んじゃうんだよ。

顔がみたいな。


ハルとわたしの愛の結晶。

わたしがこの世に生きて、ハルを愛した証。



「先生…?お願いです。わたしよりこの子を優先してね。」


「恋音ちゃん…」


「これが最後のお願いだよ。この子が無事ならそれで十分。もう、生きようなんて思わないから。」


「恋音ちゃん!!そんなこと言ったらいけない!君も赤ちゃんも生きるんだ。陽紀くんを悲しませたらいけない。もう、ちゃんと、病気のことも話すべきだよ。」


「…はい。」

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