第33話
わたしの話を聞いていた崎本先生が顔をしかめた。
「なにか悪化したんですか?」
不安でいっぱいになった。
わたしの病気は進行したんですか。
「恋音ちゃん……
妊娠してるよ。」
「に…んしん…?」
ハルとの赤ちゃん。
これって嬉しいことだよね。なのになんで先生はそんな顔してるの?
…少し考えればすぐに分かった。
赤ちゃんがママのおなかの中にいるのは十カ月。
いまのわたしに十カ月は長すぎる。
生きているのか。わからないんだから。
たとえ、生きていてもどんな状態かわからないんだから。
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