第43話
ーーー予算案の数字が違うという事に…
何度も確認した筈だった。
間違えてなどいなかった筈だ。
私は軽くパニックに陥ってしまった。
自分のミスでしかない。
私が最終確認を怠ったのだ。
けれど、思い出した。
この予算案の数字は彼女…櫻井さんに計算してもらった箇所だと言うことに。
でも、彼女はまだ"新人"の括りであって…
新人の頃はミスをするリスクが高いのは当たり前だし、ミスして当たり前なのだ。
頼んでしまった私が悪いのは明らかだ。
「…すみません、データの数字が違いますが、
今年度のプロジェクト予算は去年の3倍の6億円程を予定しております。細かな数字までお伝えできなくて申し訳ございません。」
…ああ、私何してるんだろう。
社長に謝らさせて、肝心の私はボーっと突っ立っているだけ、
本当惨めで、なんの役にも立たない女だ。
会議中なので涙が出そうだったが我慢して、
耐えていた。
社長とは一度も目が合わなかった…、
その後、無事会議は終わり、私はすぐに会議室を出て、化粧室へ向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます