第43話

ーーー予算案の数字が違うという事に…



何度も確認した筈だった。

間違えてなどいなかった筈だ。


私は軽くパニックに陥ってしまった。


自分のミスでしかない。

私が最終確認を怠ったのだ。


けれど、思い出した。

この予算案の数字は彼女…櫻井さんに計算してもらった箇所だと言うことに。


でも、彼女はまだ"新人"の括りであって…


新人の頃はミスをするリスクが高いのは当たり前だし、ミスして当たり前なのだ。


頼んでしまった私が悪いのは明らかだ。


「…すみません、データの数字が違いますが、

今年度のプロジェクト予算は去年の3倍の6億円程を予定しております。細かな数字までお伝えできなくて申し訳ございません。」


…ああ、私何してるんだろう。


社長に謝らさせて、肝心の私はボーっと突っ立っているだけ、


本当惨めで、なんの役にも立たない女だ。


会議中なので涙が出そうだったが我慢して、

耐えていた。


社長とは一度も目が合わなかった…、

その後、無事会議は終わり、私はすぐに会議室を出て、化粧室へ向かった。

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