第42話

会議が始まる数分前に、会長を始めとする本社のお偉いさん達が入ってきた。


社長は会長を一瞥し、

前を向いたまま微動だにしていない。


緊張が走る会議室、私はいつも進行役なので、話始めた。



「それでは、御堂グループ株式会社MDコーポレーションの新規プロジェクトに関する会議を行いたいと思います。私、進行を務めますMDコーポレーション社長室秘書の天宮と申します、

それではーーーーーー…」


その後、会議は順調に進み、

遂に社長が発表する来春からの新規プロジェクトの番になった。


パワーポイントは、昨年の企業実績から説明が始まった。

本社の重役達は社長に注目している。


けれど社長はそんなの慣れた事だとも言うように、淡々と進めていく。


続いて、新規プロジェクトに関する予算案のページに切り替わった。


「続いて、プロジェクトの予算案ですが、

昨年の同時期に行っていたプロジェクトより換算させていただき、今回は倍の……、」


そこで、社長は話を止めた。


…どうしたのだろう、


回りもザワザワとし始め、私の額にも汗が滲む。


「…っ!」


そこで気づいてしまったのだ…、

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