第41話

「天宮、資料確認は」


社長から飛んでくる声に、いつもの数倍反応してしまう。


「はい、大丈夫です」


社長は何事もなかったように、普段通り何も変わらない。


気にしているのは私だけみたい。

…でもあのキスは嫌じゃなかったのはなんでなんだろうか、


そうこう考えている内に、会議が始まる10分前になったので、私は会議室へと向かった。

もちろん、櫻井さんも一緒に。


少し緊張してしまうのは、何年経っても慣れない証拠なのだ。


「おはよう、天宮」


またここで…入り口で、奥田部長に出逢ってしまった。


「おはようございます」


「奥田部長〜おはようございますぅ〜」


櫻井さんも挨拶すると、奥田部長は少し顔を歪めた。


「…櫻井さんも、おはよう」


「今日もかっこいいですね〜部長〜」


櫻井さんの攻撃に部長は、はは、と愛想笑いをして、じゃあまたね、と言って会議室の中に入っていった。


櫻井さん、恐るべしだね…


「奥田部長って、天宮せんぱいの事絶対好きですよねえ〜バレバレ〜」


「…そうかな、」


彼女の言葉を一瞥し、私は会議の準備に取り掛かる。プロジェクターにパソコンを繋いで準備は万端だ。

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